ガイドブック通りの手口
とある日のこと。チャトウチャック市場を(ウイークエンドマーケット)歩いていると、中年のオジサンが私へ歩み よってきた。オジサンは聞き取りにくいヘタクソな英語で「きのうあんたをスクムビットでみかけたよ」と話しかけ てきた。
本当なのかハッタリなのか分からないけど、本当にスクムビットにいた私は、話がそれだけで済むのならと、笑顔で オジサンに答えを返した。しかし運悪くオジサンの話はまだまだ続いた。東京では家賃がどれだけかかるのか?とか 、食費がどれだけかかるのか?など、どうでもいい質問が続いた。
この時点で何かおかしいなと気づいた私。オジサンはどこにでもいるようなただのオジサン。暇な週末に買い物にき ているといった感じ。そんな人が、多少なりとも英語を使い、向こうから話かけてくる時点で胡散臭いのだ。
「コイツは詐欺師!」直感的に決め付けた私は、面白くなってきて積極的にオヤジの話を聞いてやった。
話をすること約3分。ついにオヤジは切り出した。「娘が日本で働く予定だ。あんたにいろいろと日本のことを聞き たい」と言い出した。ガイドブックに載っている通りの有名な手口で私を罠に落とし入れようとしているので吹き出 しそうになった。
さらに話を進めると「じゃあ、今から娘を呼ぶから」と携帯電話を取り出した。「呼んでどうするの?オレはもう行 くよ」という私に「どうしてだ?」とすがるオヤジ。そこで私は「この詐欺の手口、日本の一番有名なガイドブック に載ってて日本人なら全員知ってるよ。全くそのまんまじゃん」とタイ語で言ってやった。
オヤジの顔からは笑顔が消え「ok, bye」と言って人込みに姿を消した。実際にこの手口で儲けているから続けている のだと思うが「日本人なら全員知っている」という私の言葉を受けて、帰って新しいシナリオを考えてる(仕事して る)かもしれない。
